機能 
 構成
 方式
 設定
 起動

 LVS(Linux Virtual Server)機能
 ・Linux上でLayer4の負荷分散装置(ロードバランサ「以下、LB」)と同様の機能を実現
負荷分散装置に必要な基本的機能を提供
 ・実サーバのサービス提供状態を把握することはできない。
 ・LVSサーバ自身に障害が発生した場合には全てのサービスが停止してしまう可能性
LVSとPacemakerに付属の ldirectordや、 keepalivedと組み合わせて冗長化
UltraMonkey(pacemaker)keepalivedでLBの故障を隠蔽

 LVSの構成
 ・IPVS(IP Virtual Server)
IPVSNetfilterモジュール(カーネルモジュール)
 ・ipvsadmユーティリティ
ユーザがIPVSを管理するためのインタフェースを提供
ほとんどの設定はipvsadmコマンドでできる。
使用にはパッケージのインストールが必要
3種類の操作
負荷分散サービス(仮想サービス)の設定
実サーバの設定
仮想サーバ全体の管理
 ・仮想サーバ
一つのコンピュータのように見える、LVSで構成したクラスタサーバ全体
仮想サーバには、複数の仮想サービスを登録できる。

 方式
 ・LVSを使用した負荷分散を行うための3種類の操作方法
NAT
ダイレクトルーティング
IPトンネリング
 ・NATによる切り替え(最も一般的な構成)
LVSをルータ上に配置する構成
LVSは、仮想IPアドレスでリクエストを受けとり、
IPパケットに対しLBでNATを行う。(宛先アドレスを変換して実サーバに転送)
実サーバは、自サーバに送られてきた通常のリクエストとして受け取る。
負荷分散サーバに通信が集中
負荷分散装置の性能がボトルネックになりやすい。
 ・ダイレクトルーティングによる切り替え
仮想IPで受け取ったパケットを、そのまま実サーバのMACアドレスへ転送する構成
Layer2のレベルで動作する。
実サーバへのリクエストは、仮想IPアドレスを宛先にして届く。
クライアントからサーバへの通信は負荷分散サーバを通過
サーバからクライアントへの応答パケットはダイレクトに返送
負荷分散サーバはボトルネックになりにくい。
応答を返すための特別な設定が必要となる。
 ・IPトンネリングによる切り替え(IPパケットをカプセル化した上でサーバーに転送)
負荷分散サーバとは別のネットワークにある場合
NAT型もダイレクトルーティング型も利用できない。
IPトンネルを作り、リクエストを転送する。
実サーバが地理的に分散している場合に利用
サーバからクライアントへの応答パケットはダイレクトに返送

 設定
 ・ipvsadmによる負荷分散サービス(仮想サービス)の設定
IPアドレス、ポート番号、プロトコル(仮想サービス)などを設定
仮想サービスを処理する実サーバのスケジュール方法の設定
 ・例、設定の追加、tcpのサービスを指定、VIPとポート名、負荷の割振はラウンドロビン
ipvsadm -A -t 192.168.5.35:80 -s rr

 ・ipvsadmによる実サーバの設定
リクエストを処理するための設定
 ・例、追加、tcpのサービスを指定、VIPとポート名、実サーバを指定、マスカレードする
ipvsadm -a -t 192.168.5.35:80 -r 192.168.3.33:80 -m
ipvsadm -a -t 192.168.5.35:80 -r 192.168.3.33:80 -m

 ・ipvsadmによる仮想サーバ全体の管理
ipvsadmで設定されている値の表示や、設定の保存などの管理
 ・例、全てのサービスを出力
ipvsadm -Lc

 ・パケットの転送
「/etc/sysctl.conf」net.ipv4.ip_forward = 1

 起動
 ・システム起動時の優先度をnetworkサービスより後に調整する。